【公式】武田邦彦の「ホントの話。」207回 米国は良いがロシアはダメ? リサイクルとは何か? 終末期医療、再検討。弥生人は偽物?

1. イラン・アメリカ戦争の現状と日本への影響

アメリカとイスラエルによるイラン空爆が続いています。武田氏は軍事的な観点から現状を以下のように分析します。
軍事的な見立て
イランのミサイル発射施設(約300〜400カ所)、艦船、航空機はすでに大半が壊滅に近い状態で、衛星で位置が把握されているため反撃手段が急速に失われつつあるとのこと。中国・ロシアは経済的理由や国内問題から支援に動かず、頼みのパキスタンも核使用に踏み切れない状況と見ています。
日本人が気にすべきことは石油だけ
武田氏によれば、日本への影響で最も懸念されるのは石油の供給です。ただし備蓄は約3カ月分あるため、深刻な不足には至らないと言います。北海道など寒冷地に住む人には、念のため2〜3カ月分の買い増しを勧めています。物価は1割程度上がる可能性があるものの、大きな混乱はないだろうとの見通しです。
メディアへの警鐘
ロシアのウクライナ侵攻を強く非難した論者・メディアが、アメリカのイラン攻撃には沈黙していると指摘。「同じ論理で批判すべきだ」として、日本のメディアや識者の姿勢に疑問を呈しました。また、この戦争の背景にはアメリカの中間選挙(今年秋)に向けたイスラエルロビーの資金の流れがあるとも述べています。

2. リサイクルを再び考える

約25年前に武田氏が精力的に発信したリサイクル問題を改めて取り上げました。
リサイクルは本当に節約になるのか?
理論上、リサイクルは直接製造より3.5〜8倍のエネルギーを消費します。実際に日本が使う資源約20億トンのうち、回収・リサイクル可能なのは約1.3億トン。しかしそのリサイクルに7億トンもの資源を使ってしまうため、全体として非効率であると主張します。
ペットボトルを例に
製造コスト15円のペットボトルがコンビニで150円になるまでの流通コストを説明し、「回収・再生すると150円からまたスタートになる。どう計算しても元の石油から作る方が安い」と指摘します。
江戸時代のリサイクルとの比較
江戸時代の着物の繰り返し使用は本物のリサイクルでしたが、現代の社会システムでは同じことは不可能。「杉・ヒノキを切らずに再利用しろ」という運動が花粉症の大量発生を招いたと訴え、自然の循環を無視したリサイクル論の危うさを強調しました。
本来必要なのは産業レベルの対応
消費者が分別するだけでは根本解決にならず、18億トンにのぼる産業廃棄物を国レベルで適切に処理する仕組みこそが必要だと主張します。

3. 食料自給率100%を目指すべき

鈴木農林水産大臣が食料自給率100%を将来目標として掲げたことについて、武田氏は「方向性は正しい」と評価します。
人口と自給率の関係を示すグラフによれば、人口が1億人を超える大国は自給率が90〜110%に収束するのが世界的な傾向です。それにもかかわらず日本は38〜40%程度(肥料・農薬・飼料の輸入まで含めれば11%程度)という極端な低水準にあり、世界の中でも際立った異常値だと言います。「大国が飢えたら世界中が助けられない。日本は食料安全保障を真剣に考えるべき」と訴えました。

4. 終末期医療のあり方

4学会が終末期医療の指針改定案を発表したことを受け、武田氏は日本と諸外国の考え方の違いを解説しました。
欧米など多くの先進国では「回復が見込めない状態での延命治療は行わない」という考え方が一般的で、胃ろうや人工呼吸器の長期使用は日本特有の文化だと言います。本人や家族が「どこで区切りをつけるか」を事前に考えておくことの重要性を訴え、「晩酌して穏やかに眠るように逝くのが理想」と語りました。

5. 卓越大学制度への批判

東京科学大学への124億円助成が決定したことを受け、武田氏は「卓越大学制度は学問の腐敗の象徴」と厳しく批判しました。文部科学省の官僚が大学の副学長ポストに天下りし、税金を大学に流す構図になっているとし、「真に研究力のある大学が選ばれているわけではない」と述べました。

6. 沖縄「先住民族論」に反発

中国が沖縄の人々を先住民族と位置づける主張を展開する中、元沖縄県議らが国連人権理事会で「私たちは日本人だ」と訴えたことを紹介。武田氏は学問的観点から、沖縄(琉球)の人々はアイヌとともに日本人の原流であり、遺伝子的にも文明的にも日本と一体であると主張。「日流文明」という概念を紹介し、中国の認知戦に警戒を促しました。

7. WBC開幕

WBCが3月5日に開幕。国内ではNetflixが独占配信していますが、ラジオ放送やパブリックビューイングでも観戦可能です。武田氏は大谷翔平選手を高く評価しつつ、「プロ野球は金がかかりすぎる」と苦言も。

次回予告
次回は3月20日(金)午後7時から友達TVにて放送予定。イランのその後の状況を中心に、日本への影響をより具体的に解説する予定です。